――POS小委員会設立の経緯についてお聞かせください。
内田 JAMMA消費流通部会の中で「AM業界向けのPOSシステムについて研究する」という課題が以前からありました。そこで、これらのシステムをすでに開発・販売している日本ユニカさんに無線POS端末(GAUユニット)を使った最先端のシステムについての説明をお願いしたわけですが、このシステムは委員の予想をはるかに超える技術レベルのものでした。メダルバンクや社員の出退勤の指紋認証、また、集金管理などは指紋認証で行なえるようになっている、そして、100円玉1個入れば瞬時に本社でわかる、というシステムがすでに完成していたわけです。私どもはまったく不勉強で、初めて聞く話ばかりでした。従って、これらのシステムの検討については、専門的な知識も必要であり、導入の効果や必要性、他のシステムの検討・提案、さらにこれらのシステムを業界に導入するとの結論を行なった場合のJAMMAとしての対応などを含めて、POS小委員会を設立し て別途検討を行なうことになりました。
その後、「POS」という言葉だけがどんどん一人歩きしてしまいましたが、突き詰めて考えると、どの会社のどのようなシステムを導入するにしても、会社名やマシン名などをデジタルデータとして扱う以上、必ずコード化する必要があります。そして、各社(各システム)バラバラにコード化することはまったく無意味であり、業界統一でコード化することが避けて通れない課題であるとの結論に達しました。
――現在の委員会の活動状況について教えてください。
内田 平成14年11月21日に第3回の小委員会が開催され、JAMMAマシンコードのフレームワークが決定しました。そして、今年の3月3日、POS小委員会の名前でJAMMA会員企業すべてに「JAMMAマシンデータベースへの機械番号登録のお願いについて」という文書を「JAMMAマシンコード登録要領」とともに郵送し、現在はそれに基づいて、各会員にマシンコードの登録を呼びかけている状態です。メーカーコードはJAMMAに登録してるアイウエオ順にさせていただき、コード番号を最初に振り分けています。お願いしているのは、その後に続く商品コード番号とチェックデジット※の部分です。また、今回は完成品( 筺体もの)だけとさせていただき、基板・景品・部品等については次の段階で行なっていきたいと考えています。
当小委員会では現在、一日でも早く業界で統一したコードが決められ、各社が自由にデジタル・IT技術でそれらを活用することができるように活動しています。
――AM業界のデータベース等の現状をどう見ますか?
内田 現在、大手各社では独自の取引先コードやマシンコードを「取引マスター」「機械マスター」といった形で持ち、取引データや売上データを管理しているものと思われます。しかしながら、それは業界全体で統一されたコードではなく、また、非常にローカルなもので他社(他のシステム)では使うことのできない汎用性が低いものです。マシンデータベースの整備こそ、業界団体として取り組むべきものであると思います。
――流通業界などPOSの先進業界のシステムについて、AM業界は何からとり入れるのがよいとお考えですか?
内田 これは本当に進んでいる分野でありまして、そのコード体系は私たちが新しく考えるよりも、考え抜かれたシステムを使用した方が使い勝手もいいだろうと思いました。チェックデジットの考え方やその番号のフレームワークなど、同じものを使うことになると、例えば、バーコードを印刷する時も市販のソフトを使ってできますし、バーコードリーダーも現在使用のものを使えるなど、そのメリットは計り知れません。また、流通業界で利用されているJANコードの体系は非常に使いやすいので、これを参考にさせていただきJAMMAマシンコードを規定させていただきました。具体的には13桁からなるコード体系で、最初の2桁がプレフィクスコードの20、次の4桁がメーカーコード、その次の6桁が商品コード、最後の1桁がチェックデジットとなっています。
――インフラ整備(特に端末)の問題についてはどうお考えですか?
内田 今日現在では、端末はまだまだ高価です。しかし、Edy※などのICカードが急速に普及していけば、端末の値段はまちがいなく下がっていくことでしょう。また、AM業界全体としてこのことに取り組んでいけば、端末の値段はさらに速い速度で下げることができると期待しております。
様ざまな問題の解決をめざし、AM施設に課金システムの導入を検討
――今後の委員会の方向性についてお聞かせください。
内田 まずは、会員外(現在マシンは稼働中だが、会社にはすでに残っていないケースを含む)の会社や、ゲーム機をコード化していきます。また、景品や部品関係もいずれコード化していく必要があると思われます。そして今後、Edy(電子マネー)などの非接触型IC※カードを使ったシステムが本格的に稼働すると思われます。
この技術(SONYが開発した非接触型Felica)を使ったJRのSuicaはたった1年で500万枚以上使われるまでになりました。また、Edyはampm全店で使用可能です。携帯電話にも今年あたりからEdyのチップが載ってくることを考えると、携帯電話を使った(正確に表現すれば、携帯電話に埋め込まれたICチップを使った)課金システムが本格的に始動すると考えられます。
これにお金をチャージしておけばゲーム機の読み取り機にICをかざすだけでゲームができるようになります。JRの状況を考えても、相当な勢いで普及する可能性があるのではないかと思います。これを上手くアミューズメントの形にアレンジし、関連会社さんと連携できればと考えているところです。
従って、小委員会では会員企業である、夢フロンティア、NTT-ME、日本ユニカさんをはじめ、SONY、TT-Docomo、ビットワレットなどとも接触し、AM施設における次世代の課金システムについて検討を進めていきたいと思います。
――最後に課金システムについての期待感をお聞かせください。
内田 AM施設はハイテクマシンを使っていますが、金銭管理の面では流通業界に比べて大分遅れていました。今や、課金システムの技術は臨界点に近いところまで来ています。AM施設はその課金システムを早く立ち上げるべきだと思います。100円玉や1000円札を手作業で数えることから早く卒業して、次世代の課金システムが普及し、それを上手く使いこなしていくことができれば、消費税の転嫁、金銭不正処理、銀行での両替手数料、両替金保管の問題なども、解決の方向に向かうことが期待できます。
――わかりました。今後の小委員会での活躍を期待しています。
※チェックデジットとは、バーコードスキャナによる読み誤りを防ぐために設けら
れる数値で、JIS規格で定められた計算方法(モジュラス 10)により既定される
ものです。
※「Edy」とは、簡単にいうと電子マネーの財布です。残高がなくなったら、チャージ
(入金)することで繰り返し利用できます。
※非接触型ICには接点がなく、カードに埋め込まれたアンテナを使って電力供給
およびデータ通信が行われます。



