里見治JAMMA新会長インタビュー

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――まずJAMMAの新会長に就任された心境と抱負からお伺いしたいと思います。

里見 正直言って今回自分が会長になるとは全く思っていませんでした。柿原前会長からどうしても今回引き受けてくれないかとお話があり、理事さんからも何人から か言われまして、私としてはセガとサミーとの件もあるので、実業の部分に専念したいという気持ちがありました。それでも、どうしてもと要請され、今後セガとサミーが一緒になっていく中で、アミューズメント業界を本当の意味で成長させていかないと、我々のビジネスも大きくなれないですからね。そういう意味で引き受けさせていただこうと思ったのです。

――業界もようやく回復の兆しが見えて来ましたし、大いにリーダーシップを発揮していただきたいですね。

里見 業務用のアミューズメント、ようやく底を打って上がって来たかなと思っています。今まではコンシューマーのゲームソフトなどに非常に押されて、ゲームセンターの集客力がなくなっていたし、若い人は携帯でお金を使ってしまってゲームにまで回らない。ここに来て少し持ち直してきたのは、もちろんプライズ機などが大きいとは思います。しかし、従来のゲームソフトと比べると差別化できる要素がだんだん出てきて、それがオペレーターさんもある程度分かってきた。こういう方向でゲームセンターを伸ばしていけばまだいけるという明るい兆しが出てきました。
 それをもっとダイナミックに、業界全体で大きくなれることを強力に進めていければと思っています。

――2、3年くらい前から、家庭用と差別化できるような新しいものが出てきています。カードシステムとか。

里見 「ゲームセンターに行かないとおもしろくないや」という商品がだんだん出てきている。その一番大きいのはネット対戦だと思うんです。まだ今のところ基本的にはゲームセンターの中だけのネットで遊ぶ機械が多いのですが、それでもかなり大きなプラスになっています。
 将来的には、セガのゲームセンターだけではなく、タイトーさんでもナムコさんでも他所のオペレーターさんでもいい、違うゲームセンターにいながら同じ遊びができるような、これからおそらくそうしたシステムが広がっていくのでは。そういった事が広がっていくと、共同でイベントをやったり、色んなアイデアが生まれてくる。そうするとますます面白い形が出てくると思っています。

――それには基本的に業界が一つのシステムで展開する必要がありますね。
里見 セガならセガだけでなく、共通の業界標準仕様でやる。各メーカーが個別に違うことをやるような馬鹿な話はないですから、業界がよくならないと自分たちもよくはならないという原点を考えてほしいと思います。


消費税引き上げ問題等に対処するため
キャッシュレス決済システムの導入を



――今回JAMMAでは業界にキャッシュレスのシステムを導入していくためITネットワーク特別委員会を設置しました。これも業界各社が足並みをそろえることが必要ですね。
里見 Edyのようなキャッシュレス決済システムの導入は柿原前会長からも託されました。これは私もぜひ進めていきたいと思っています。ここ2、3年の中で間違いなく消費税が上がる。その消費税をどうやって吸収するか。一般にオペレーターは売上に対して利益が8~9%くらいですよ。ここに5%消費税が上がってこれをきちんといただけなかったら、3%しか利益が出ない。何か手を打たないといけないんです。
 それから、今のゲームセンターはみんな個別の機械がキャッシュボックスをもっていて、これは昔から変わっていません。パチンコ店では全部キャッシュを一括して回収してますよ。キャッシュボックスにキャッシュなんてないわけです。キャッシュボックスから1台、1台回収するのは不正が生まれる原点です。不正防止という点からも有効ですし、また人件費だって削減できる。これは業界全体でやるべきです。

――どのように推進されるのでしょうか。
里見 いくつか解決しなければならない問題点があります。利用料がどうなるかが一つ。端末を1台1台につけていかなくてはならないので、どれだけコストを安くできるかが課題です。それからメンテナンスがどうしても必要となる。今は外に頼んだりするとかなり高くつく。これからの議論ですが、メンテナンスをどこか一つのところに決めるとか、協会の中でコストギリギリの所で引き受けるとか。

――端末を取り付けること自体、オペレーターさんだけでは大変という声もあります。
里見 協会が先導してやらないと無理ですね。それから情報が筒抜けになるという問題もある。情報を勝手に取れないような仕組みを考えなくてはなりません。

――新会長には色々課題が控えているのですが、景品の違法営業の問題もあります。この問題にはどのように取り組まれますか。
里見 これはAOUと連携しながらやらないと。JAMMAの力だけでは無理です。メーカーが違法なものを一切入れられないような機械を作れるかというと、できないわけですから。

――それぞれに立場が違いますからね。
里見 将来的にはAOU、NSAを含めて一本化した方が良いと思うんです。そんな大きい業界ではないわけですから。収斂された中で、皆で知恵を出して業界を発展させていく。近い将来やれるようならいいなと思います。

――セガさん、ナムコさん、タイトーさんみんな3団体に入っていらっしゃいます。もともとは1本の業界でしたから。 里見 そういう方向でいかないと、行政に働きかけるのだって大変です。例えばJAMMAで行くでしょ。行政指導的な話は出ますが、陳情的な話になると、「いや、JAMMAさんはうちの所管じゃないからね」と使い分けられてしまう。それが1本化すればもっと色んな話ができる。

―― 一枚岩で折衝ができますからね。業界再編の時期に来ているのでしょうか。 里見 そういうことも提唱していきたいと思っています。業界が一致団結すれば景品価格上限の800円を1000円にしてくださいという話もできなくはないですよ。行政の裁量権の問題ですから。

――しかし、業界が襟を正す姿勢が見えないと当局を動かすのは難しい。 里見 悪いことは直接注意して、駄目なら行政に報告してでも正してもらう。そんな毅然とした姿勢が必要だと思います。


JAMMA会員の商品開発努力で再び
世界から注目されるAMショーに



――里見会長は第42回 AMショー委員長でもあるわけですが、今回のAMショーの展望をお聞かせください。
里見 個人的には、会長会社として世界で注目されるものをぜひやりたいと思っています。今回JAMMAが進めようとしているキャッシュレスとネットシステムなどをアピールしたい。全体的には幼児からお年寄りまで含めて楽しめるような商品ラインナップをショーで見せることができれば一番よいなと思っています。

――JAPEAの共催は今後とも続けていかれるお考えですか。
里見 もちろんです。JAPEAさんがノーとおっしゃらない限り、今後とも一緒にやっていきたいですね。JAPEAの会員さんの出展でショーが一層華のあるものになっていますから。

――今回のショーを含めてこれからのAMショーの方向性についてお聞かせください。
里見 JAMMAショーはかつては世界に発信した市場の大きなショーでした。ラインナップをそろえて各国が欲しいと思える商品の開発ができれば、再び世界の注目を浴びるショーになると思うんです。昔は向こうの人たちの方からショーにやって来てどんどん買っていきました。インベーダーにしても、ドンキーコングにしても、アウトランにしても。それは何もアメリカ向けに作ったものでもないし、ヨーロッパをターゲットに開発したものでもなかった。今は時代とマーケットが変わったので、そこのマーケットで受け入れられる機械なのかどうかが問題です。

――市場にフィットした製品開発をすればまだまだ市場が広がるということですか。
里見 例えば東南アジア地域など投資余力の少ないところでは、機械が高かったら欲しくても買えない。でしたら、ロープライスでクオリティがしっかりしているものを提供する。問題は投資して利益が出るかどうかだから。価格が高くて投資してもリターンが取れないからやれないわけですよ。ところが、リターンが見込めるプライス、コンテンツがあれば買いますよ。商売ですから。JAMMAの会員1社1社がそういう商品を生み出す努力をするべきでしょう。

――最後にAMショーの来場者に対するメッセージをお願いします。
里見 来場して楽しんでいただいて、家の中で遊んでいるだけでなく、表へ出てアミューズメントセンターの中でぜひ遊んでみたいと思えるようなショーになれば一番良いと思っています。

――ご多忙の中、本日はありがとうございました。