――昨年12月にJAIA(日本アミューズメント産業協会=Japan Amusement Industry Association)が設立され、記念すべき初代会長にご就任した率直なご感想をお聞かせ下さい。
里見 現在の3団体(JAMMA、AOU、NSA)が生まれてからほぼ四半世紀が経過し、現状としては業界全体の成長性などを含め、少し閉塞感が出てきたのではないかと思います。
その中で今後の消費税問題、環境問題など、そのころから見ると、社会的に要求される事項も新たに出てきています。
これらの問題は、3団体にも関係しており、お互いがお互いの領域を共有しているところもかなりあるわけです。今後色々な意味で行政とのコミュニケーションをより円滑にするためにも、一本化できたほうが業界全体のパワーが大きくなるのではないかということを各団体の皆さんと協議し、この度の新団体「JAIA」設立となったのです。
私自身も、やはり業界が一つになって、例えば警察行政や、リサイクル等の経済産業省関連においてもお願いしたいことがあります。これらに対しても一本化することで、より大きな力が発揮できると考えていますし、その責任は重大であると思っています。
――JAIAについて、まず設立の経緯、目的をお聞かせ下さい。
里見 約2年ほど前JAPEAも含めて、会長同士が集まる機会がありその中で、NSA会長の内田さんから一本化したらとの提案がなされたものです。私も非常にいいことですねとお答えしました。AOUも、その当時は会長が入江昭造さんでしたが、入江さんも、ぜひそうなればということで、3者ともその場で意見が一致し、少なくとも1年か1年半の中でまとめていきましょうと決まりました。
その後各協会から代表者を選出し統合に向けた話し合いが始まり、昨年3月から実務レベルの具体的な検討に入りこの度ようやく形になり、新団体「JAIA」設立までたどりつくことができたのです。
最初は完全統合ということでスタートしたのですが、やはり各協会それぞれの事情があります。特にJAMMAとAOUは所管官庁が違う社団法人ということもあって、最初から完全統合という形ではなく、各団体の意見も尊重して、最初のステップとしては、ホールディングカンパニー形式から、次のステップで完全統合しましょうということで、スタートすることになったのです。
――現状のJAIAの組織についてお伺いします。
里見 現状の役員は、正副会長3名、常任理事が3協会から各3名の9名、専務理事、常務理事が各1名、通常の理事が12名(各協会から各4名)、監事が3名の合計29名で構成されています。役員は当面、完全統合まではこれでいこうと思っています。完全統合が3年も5年も先だったら、これはまた考える必要がありますが、長くても2年以内ぐらいには完全統合にしないといけないのではないかと考えています。
――続いて各委員会についてお伺いします。
里見 委員会は政策運営委員会、法務委員会、広報活動委員会、技術委員会、調査統計委員会と5つの委員会で構成されます。
まず政策運営委員会は常任理事会のメンバーで構成され、経産省、警察庁を含めて、官公庁との連絡や折衝等を行います。基本的には、今後我々が本当に業界を発展させるために、業界と当局とのより良いコミュニケーションをどうやって取っていくかと、いう具体的な問題を含めて討論していきます。
一番肝心な、将来にまたがる大きな項目については、やはり常任理事会を中心にということで、この政策運営委員会は常任理事を全員メンバーとしました。
法務委員会は、JAMMAの石川祝男副会長が委員長となり、関係法令等の調査研究や協会の訴訟問題の把握などを行っていきます。調査統計委員会は、NSAの辻善則副会長に委員長をお願いしました。3団体で行っていました実態調査をはじめ、別にNSAで、調査・統計なども含めたことを辻さんが中心になってやっておられたので、そういうものはJAIAの調査統計委員会にうまく引き継いでもらおうと考えています。
広報活動委員会については、「ゲームの日」等の諸活動を、AOUの平本将人副会長が中心になってやっておられています。そういう意味では平本さんが適任ではないかということで、平本さんに委員長をお願いしました。
広報活動等については、JAMMAがこれまで中心に行っていたAMショー等は当面はJAMMAに残さざるを得ないと思っていますが、3協会がこれまで一緒にやっていたことについては、JAIAの広報活動委員会に集約しようと考えています。
最後に技術委員会 委員長をJAMMAの木村雅三副会長にお願いしました。この委員会はキャッシュレス化の検討が主な担当となります。ここが一番、当面の課題だと考えています。先程言ったように消費税の対策を含めて、どうするのか。これがうまくいくとかなり、業界の色々なものが変わっていくのではないかと思います。
それにはどうしても技術委員会でシステムそのものをきちんとつくり上げないと、導入したくても導入できないわけです。この問題は、JAMMAで先行して木村副会長が委員長として行っているので、これはそのまま木村さんにお願いいたしました。その代わりキャッシュレス化の問題は、JAMMAとJAIA各々で行っても仕方ないですから、合同委員会で推進し、最終的にはJAIAに集約していきたいと考えています。
委員会は形式だけではなく、実質的に活動してもらえるように機能的な組織にしました。実体が伴う組織にし、実績を積み上げていくことによって、最終的に、完全統合につながっていくだろうと考えています。
――当面の協会の財政問題になりますが、3協会がそれぞれ、何百万ずつ拠出することになっていますね。
里見 今回は500万円ずつ各団体が拠出して、当面はその資金を運営に回していきます。どうしても不足するところは、今後3団体が話し合った中で補っていこうと思います。
役員の構成もそうですし、資金の負担もそうなのですが、今のところ3団体が同等という形をとりました。今後、JAIAで様々な事業を行う場合、そこに費用がかかってきます。その時にはどういう負担率にするかは、これからの検討課題になるでしょう。
――協会の運営方法についてはいかがですか。
里見 理事会は年に4回開催します。常任理事会はもう少し頻繁にやらなければいけないでしょう。ただ理事会に最終的な決定権があるわけですから、理事会が重要な組織になります。加えて、協会運営を円滑にするために常任理事会があります。
当面は、皆さんで合意して決めた以上、各団体を尊重して行うことですが、今後3団体個々の問題の中で、共通の部分はある程度JAIAで受けるということになると思います。
――事業内容で特に重点を置いていくものは何になりますか。
里見 当面の最大の課題は、技術委員会で審議していただく消費税問題です。近い将来 消費税がアップすると想定しています。
そういう意味では、すぐ目先の問題として業界全体で解決しなければならないと考えています。この技術委員会、いわゆる消費税対策委員会といっても過言ではありませんが、ここが中心となって取り組む消費税対策は消費税アップの時期に可能な限り間に合わせたいと思います。
あわせて、電子マネー決済システムによるキャッシュレス化も消費税対策と一体なのですが、なぜ導入するかといえば、基本的に料金を外税にできないかということです。現金でプレイしてもらう現状では、税率が8%になった場合、プレイ料金を108円にすることは現実的に無理でしょう。ところがそれがすべてキャッシュレス、いわゆる今我々が取り組んでいる、電子マネー決済システムを利用することによって108円いただくことも可能なのです。
電子マネー決済のみになると、まず一つは、今まで旧態依然としてキャッシュボックスを開けてお金を集めて歩く必要がなくなります。これがなくなれば、作業効率も上がりますし、不正対策にも繋がると思います。
さらに、プラス要素としては、ネットワークで各機械が結ばれることで、様々な情報を取ることが可能であり、各社のマーケティング戦略に有効活用ができる利点もあります。
また、特定の時間帯に料金の設定を変えることも可能です。例えば、お客様が少ない時間帯は70円で遊べるようにすることも可能になります。
ゲームの開発サイドからみると、ゲームがネットワークで繋がるということは、新しいゲームコンテンツのアイデアの幅が広がり、プレーヤーに色々な提案ができるのではないかと思っています。そうすると、この業界全体が多少変わっていく可能性があるのではないかと思います。
最終的には新しい時代にあわせて、消費税という課題に業界全体が協力して対応しなければいけないということです。

――その他に、業界に与えるメリットはありますか。
里見 3団体でこのシステムを全部共有していこうということです。システムを協会に加入している方々に提案していきますから、協会のメンバーだけがこのシステムを使えるということが当然出てくると思います。そうなったときに、協会に所属しない方々がどうするのか。このシステムを使用したいならば、当然協会に入ってくださいという事になる。従って組織率を大幅にアップできるのではないかと思います。
――有効な手段ですね。AM業界として一番のネックはアウトサイダーへの対応でしたから。
里見 協会に加入していない方には、このシステムを使わせないくらいの強い気持ちで取り組んでいきたいと思います。それで組織率がもし上がればどういうことが起きるかというと、協会が主体になって取り組む自主規制や自助努力といった行動に対して実効性が伴い、より信頼性が高まっていきます。それを通じて、業界全体のより高い健全化を実現できるのではないかと考えています。この業界の高い健全性に裏付けられた信頼性が、我々の色々な要望を行政側にも聞いてもらえる前提となっていくだろうと思います。
それに情報など色々なものが集約されてきた中で、システム導入によって業界全体の方向性もある程度、見えてくるかもしれません。まず最重点課題として、このキャッシュレス化に向けたシステムの構築と導入をやりたいと思います。
――これまで挙げた事業以外に委員会等で取り組むことはありますか。
里見 今後の中で様々な課題を抽出し、対処していきたいと思います。常任理事会等でも話し合って、JAIAの中の委員会で対応できることが出てくれば、行うことになると思います。
――最後に今後の抱負をお聞かせ下さい。
里見 私としてはできるだけ早い時期に、JAIAに加入している3団体すべての人たちに、本当の意味でJAIAを理解していただいて、早く完全統合して欲しいという声が出るような協会にしていきたいと思います。


