
新年あけましておめでとうございます。
振り返れば1997年は、日本経済にとって激動の年でありました。いくつかの金融機関の不祥事と経営破綻は、日本の金融システムそのものを強く問い直した出来事でありました。今春のビッグバン以降、さらにマーケットサイドからの日本の金融機関・システムへの圧力は強まると考えられますし、まさに日本経済の質的転換ができるか否かの正念場となります。数年来言われ続けてきた「グローバル・スタンダードへの転換」が現実のものとなってきました。
日本経済同様、当アミューズメント業界も非常に厳しい状況にあります。昨春の消費税率5%へのアップは、我々の業界に大きな影響を与えております。また、この数年間のビデオゲームの不振は奥深く、一昨年からのプリクラを代表とするAM自販機のブームが新たな市場を開拓し穴埋めはしているものの、AM市場全体を底上げするには至っておりません。現在アミューズメント市場は、大きな方向性を見失っていると考えられます。
消費の多様化とともに我々の主要ターゲットとする若年層の消費は、携帯電話・ネットワーク通信等のコミュニケーション手段への支出に大きな割合が割かれており、音楽ソフトやアパレル業界などにもその影響が表れております。一方で映画業界は、「もののけ姫」や「インデペンデンス・デイ」「ロストワールド」等のヒット作とシネマコンプレックスの浸透により昨年の観客動員数が11年振りに1億5,000万人を突破しています。また、サンリオの「キティ」が復活、ティーンエイジャーを中心に女性層に人気が沸騰し、大きな需要を創出しています。
世の中がマルチメディア時代・ネットワーク社会へ確実に移行している中で、我々アミューズメント業界を取り巻く消費環境、特に広い意味でのエンターテイメント市場で我々に何が求められているのかをもう一度しっかりと見据えていく必要があるかと思われます。世の中の流れを見極め、潜在需要を掘り起こすような斬新で幅広い層に支持されるような「遊び」を提供していくことが、当業界の使命であります。最先端技術をいかに取り込み、自らのノウハウとして蓄積・応用し、画期的なアイデアを付加して「新しい遊び」として社会に提供し、新しい市場を形成していくことがアミューズメント業界に期待される産業としての役割であり、社会的な存在意義なのではないでしょうか。
しかしながら技術はあくまで手段であり、ハイテクに頼らず様々なジャンルにアプローチしていく視点が今後重要かと思われます。時代をうまく取り込んだアイデア商品が大きな市場を生み出すのです。プリクラの一連のブームは良い一つの例ではないでしょうか。低価格でアイデアを生かした商品開発が世の中のニーズと合致した時に、新たな市場やジャンルが生まれてくると考えられます。
不振といわれるビデオゲームも、家庭用TVゲームとの差別化がなされていない結果であり、例えていうなら家庭で見る映画と映画館で見る映画の関係に似ていて、その違いを一般ユーザーにはっきりと認知させる必要があります。
アミューズメント業界における技術革新は、90年代に入り目をみはるものがありました。3DCG技術やVR技術の発達は各社のご努力もあり、世界に誇れるものとなりました。日本のアミューズメント産業が現在世界中から注目されるのも、「インタラクティブ・エンターテイメント」の中核となるこれら技術を逸早く取り込み、自らのものとした成果に他なりません。迫力ある映像と音響効果、センサー技術やシミュレータ技術等のVR技術を効果的に利用し臨場感溢れるものを創出していくことが、家庭用との差別化を産み出す一つの方向性であり、同時に当業界がエンターテイメント市場で大きな影響力を持つ原動力となるのではないでしょうか。
海外におきましては、アミューズメントの潜在需要は依然高いと思われます。新興国需要が確実に高まりつつあるのは言うまでもなく、世界各国からの要望も大きくなってきております。昨年も一昨年の香港に引き続きアジアAMショーをシンガポールで開催し、成功裡に終えることができました。今後も日本発のワールドワイドに通用する数少ないエンターテイメント産業として当業界は大きな可能性を秘めております。厳しい状況にある日本経済の牽引役として、われわれAM業界がその本質を忘れず、将来に亘って世界市場をリードする産業として発展していかなければならないと考えております。
今後の業界の発展と皆様のご健勝を祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。