
新年あけましておめでとうございます。
21世紀までいよいよあと2年となりました。時代は新しい世紀を控えて、大きな変化のうねりの中にあります。20世紀に築き上げたものが、あるものは変化の中で陳腐化したり形骸化して衰退の道を辿っていき、あるものは大きく質的転換をすることにより新しい時代に順応していこうとしています。また、あるものはまったく新しい芽を出そうとしています。
人間が生み出した科学技術は、20世紀に大きく花を開かせました。そして、その科学技術により人々のライフスタイルや価値観も大きな変貌を遂げました。「遊び」の文化、エンターテイメントもさまざまな科学技術と結びつき、多様化が進展いたしました。20世紀は、人間の歴史の中で最も多様な「遊び」が生み出された時代と言えるかも知れません。エジソンの発明に始まった映画は映像文化を生み出し、音楽は増幅・再生技術の進歩とともに大衆の中で広く共有化できるものとなりました。また、移動手段の革命は、レジャーに対する人々の考え方を大きく変えました。
20世紀の中盤に編み出されたコンピュータ技術は、人々のコミュニケーション手段、仕事の内容・種類、組織の在り方等に加えて、新たなライフスタイルや価値観までをも変えようとしています。そして「遊び」の世界においては、デジタル・エンターテイメントとして僅か30年にも満たない年月で大きな発展を遂げ、新しい遊びとして人々の生活の中に確実に浸透してきています。それを産業として担っているのが、我々アミューズメント産業なのです。
しかしアミューズメント産業は、産業としてまだまだ幼年期と言えるかも知れません。エンターテイメントという広い分野の中で、我々がやってきたことは、まだほんの一部かも知れません。現在やっている既存のビジネスの範囲が、決してすべてでないことを認識すべきだと思います。技術革新によりメディア、エンターテイメントのボーダレス化はますます進展していくと思われます。ネットワーク社会の浸透は想像以上に人々の生活を変化させ、多様な価値観を生み出しています。加速度的に起こる時代の変化に逸早く対応し、単に技術にとらわれることなくデジタル技術とアナログ的なものをうまく組み合わせ、人間の根源的な「遊び心」を刺激する斬新なアイデアこそが新世紀に亘って世界市場をリードしていくエンターテイメント産業に必要なことであると考えられます。
21世紀を前に、今、日本経済は構造的な問題を抱え厳しい状況の中で苦しんでおり、質的転換を迫られています。アミューズメント産業においても景気の影響による個人消費の落ち込みは、深刻な問題としてその存亡に関わってきています。しかし、この状況の中ですべての製品、サービスが低迷しているわけではありません。昨年は当業界にとっても試練の年となりましたが、一部新しい芽も出てきています。人々の潜在的な欲求を掘り起こし、既成概念にとらわれることなく市場にマッチした製品やサービスを提供していくことが業界の発展の原動力になっていくのではないでしょうか。当業界が将来に亘ってエンターテイメント市場で世界的な影響力を持っていくためには、自らを変革し続けなければなりません。
また、国内の規制緩和問題、海外市場の開拓、若者の欲求を先取りしマーケットの牽引役を果たす新しいアイデア商品の創出、労働集約型産業から脱皮しうるシステムの開発、消費者ニーズをリアルタイムにリサーチするノウハウ・システムの構築等、当業界が乗り越えていかなければならない課題は、まだまだ山積しております。我々にはそれをひとつひとつ解決していくパイオニアとしての使命があると考えるべきなのです。
昨年はアジアAMショーを上海で開催し、厳しい経済状況下にあるアジア市場においても、アミューズメントへの潜在需要は依然高いことを認識いたしました。中国政府のご理解と、関係各位のご努力にあらためて御礼申し上げます。今後も日本発のワールドワイドに通用する数少ないエンターテイメント産業として、当アミューズメント業界を国内のみならず広く世界にアピールしていきたいと考えております。
我々アミューズメント産業は、大きな可能性を秘めております。その本質を忘れず、広い視野に立って、21世紀に向かって力強く邁進していきたいと考えております。
最後に、新年にあたり今後の業界の発展と皆様のご健勝を祈念いたしまして年頭のご挨拶とさせていただきます。