32号: 2003年2月アーカイブ

特集 景品委員長へのインタビュー

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――景品委員長としての抱負について。

佐藤 過去、JAMMAは経済産業省と、AOUは警察庁と、業界の健全化に向けて話し合いを行ってきました。業界の諸先輩方の努力があって、その結果、風営8号景品と7号景品の違いについて、現在の認識ができあがっているわけです。それを踏まえ、私としては基準の見直しも含め、業界がさらに発展するための仕事をしっかりと行なっていかなければいけないと考えています。たいへんな大役ですが、次の世代に引き継ぐためにも精一杯努力いたします。

――景品委員会の内容と役割について。

佐藤 景品の正しい在り方を考え、正しい方向に導き、業界の発展に貢献するのが委員会の目的です。まずは規制を設けるとか取り締まりを行なうという立場ではなく、業界の皆さんやプレイヤーの方たちに「実情はこうなのですよ」ということを伝えてゆく活動に重点をおいています。

――啓蒙活動が業界を活性化させるための重要なファクターだと。

佐藤 近年のゲームセンターの売上を見ても、景品が大きな柱となっていることは間違いありません。また、過去において、景品価格の上限拡大に合わせ、業界のマーケットが拡大してきたことも事実だと思います。その中で、新しい業者さんや新しいものの考え方をもった人たちが参入してくる場合、ルールが守られないことも多々あるわけです。したがって、委員会にとって景品倫理の啓蒙活動は重要な仕事の一つと考えています。

――活動状況について。

佐藤 新規参入自体は非常に良いことなのですが、新しい業者さんは「業界がきちんと規制と向き合いながら、時間をかけて作り上げてきたマーケットである」ということを認識しないでいきなり商品を出されるわけです。まず、そういった方たちを啓蒙しなければならないし、次にオペレーター側の若い世代の方たちにも伝えていかなければならない。しいてはプレイヤーの方たちにも正しい理解をいただきたい。そのために、きちんとした倫理観を持ったメーカーやAOUと連携し、展示会などの機会を通じて、チラシなどで景品の正しい情報をお伝えすることから始めています。

――委員会としての会合は開かれているのですか?

佐藤 定期的に開催しています。年間、4回ぐらいを考えていますが、他にJAMMAおよびAOUの展示会のための活動があります。

――AOUエキスポが2月に開催されますが。

佐藤 AOUとも密に連絡をとっており、景品のチェック機能もAOUの中にできました。私どももアドバイザーという形で参加させていただいています。


景品市場はピークから横ばいの状態に


――景品の上限価格800円について。

佐藤 先ほどお話ししたように、上限拡大に伴ってマーケットが活性化したのは事実です。私は現状800円が妥当ではないかと思っていますが、時代により社会環境は変化しますし、消費者の目線も変化するでしょう。今後、業界が良い方向へ発展できるのなら、条件などを盛り込んで関係当局と交渉することも必要だと考えています。

――JAMMAの重点事業計画「景品の営業に関する基準の策定」について。

佐藤 警察庁生活安全局課長の年頭挨拶(AOUニュース)の中で、クレーンゲームという言葉が出てきますが、その言葉が出てきたことは良いことだと思います。次の段階として、操作法が異なる面白い景品機もあるわけですから、そういう機械を増やしていきたいと思います。倫理や基準に沿うものについては「この機械は適正ですよ」という形で、オペレーターが使える機械の守備範囲を増やしていくことが業界にとって良いことではないかと考えています。

――その場合、景品営業の基準の策定をお考えになっていないですか?

佐藤 今の時点ではこの委員会の仕事とは考えていませんし、策定する立場にもありません。AOUニュース・年頭挨拶の中でも「少年の健全育成上問題があるような~(中略)~地域で問題化しているゲームセンターが存在化することも事実」と、はっきり書かれていますし、警察庁も現状は良く把握されているでしょう。ただし、私たちの業界では、まじめに営業しているところがほとんどですから、指摘されるようなところと差別化するためにも、景品委員会が中心になり、業界全体でしっかりと対応している、とアピールすることが最も大切なことではないかと思っています。

――景品提供機の機械基準の策定について。

佐藤 繰り返しますが、警察庁の表現に「クレーンゲーム等」と表現されたのは大きな進歩だと思うわけです。これは、数年前にはなかったことですから。この言葉が公で出てきたのは、業界の皆さんが健全化に向けて努力してきた結果なのです。ですから、7号機の8号転用についてもルールをしっかりと固めるべきだと思います。これは、メーカーが利権を守るということではなく、「はっきりさせていこう」と。はっきりすれば、堂々と営業できるわけですから。今までは議論の対象にしにくい風潮もありましたからね。

――現在の景品市場の動向について。

佐藤 ブームとしてのピークは過ぎていますが、悲観的には考えていません。人気の出る前のキャラクター景品は以前にもまして高いハードルを越えなければならなくなりましたが、人気の高いキャラクター景品は依然高いインカムをあげていて、需要は衰えていません。これからはキャラクターの優劣はもちろん、ブームをプロデュースする能力でメーカーも淘汰されていくでしょう。コピー景品や高額景品を排除できれば、そのシェアが正規品に置き換わる可能性があるわけですが、時間はかかります。それら諸々の事情を考えると、しばらくは横ばいだと思っています。

――ありがとうございました。今後の委員長のご活躍を期待しております。


JAMMAジャーナルでは、今後、新設委員会の委員長
へのインタビューを特集として掲載してまいります。


 風営適正化法「解釈基準」の改正(平成14年1月22日、警察庁)に伴い、7号営業で使用または使用を前提に製造されたパチンコ機、パチスロ機を8号営業においてメダルゲームとして使用する場合は適正な改造を施すことが義務づけられました。

 JAMMAは、製造事業者団体として業界全体から適正な改造の定義づけおよび認定制度の整備を求められ、6月13日開催の第72回理事会において機械基準の改正が決議、倫理部会での数次の審議の後、理事会承認を経て平成14年12月1日から改正基準が施行されました。

1.倫理部会での審議

 倫理部会(部会長:永井明副会長)では、平成14年9月12日および10月7日に2回の部会を開催し、下記の通り改正を行なった。

 なお、最近のマスメダルゲーム機においては、本体と通信可能な個別遊戯ユニット(サテライト)を使用した機種(サテライト対応メダルゲーム機)が増加している。このサテライトは、他の同一機種本体への増設のための接続が可能であり、また追加販売等、サテライト単体での流通も行なわれているため、表示マークの貼付されているサテライトと貼付されていないサテライトが市場に存在することとなっているため、基準の運用に混乱を生じるおそれがあり、これらサテライト対応機種についても併せて基準改正を行なった。

2.理事会での審議

 第73回理事会(平成14年10月24日開催)において本改正案について審議し、改正が承認された。

3.主な改正点
 (1) 7号転用メダルゲーム機の適正な改造を認定するための規定の整備
7号転用メダルゲーム機の定義
7号転用メダルゲーム機とは風営適正化法に規定される7号営業において使用または使用することを前提に製造されたパチンコ機およびパチスロ機等の遊技機をゲームセンター等の8号営業向けに改造したメダルゲーム機のことをいう
②適正改造の認定方法
払い出し率の変更等の適正改造を施していると判断されるものに対し、「JAMMA認定アミューズメント適合機」表示マークを発行し、適切なアミューズメントマシンとして認定する。
適正な改造を確認するための要件
Ⅰ.7号機としての製造会社名
Ⅱ.7号機としての機種名
Ⅲ.払い出し率変更の有無
Ⅳ.払い出し率の変更にあたっての具体的方法
Ⅴ.外観の変更の有無
Ⅵ.外観の変更にあたっての具体的変更内容
Ⅶ.8号機としての販売状況について(盤面販売/筺体販売)
Ⅷ.7号営業機における製造会社からの転用使用許諾書
表示マークの貼付の方法
パチンコ機においては前面ガラス右下、パチスロ機においてはアクリルマーキーの右下透明部分に内側(裏側)から貼付する。

(2) サテライト対応マスメダルゲーム機に関する規定の整備
サテライト対応マスメダルゲーム機の定義
サテライト対応メダルゲームとは本体から着脱できるユニット(サテライト)を接続できるメダルゲーム機をいう。
サテライト対応メダルゲーム機の届出方法の変更
従来の規定では、本体と接続されて出荷されるサテライトについては本体と同一と見なしたため、届出の必要がなかったが、今後はサテライトごとの届出を義務づける。なお、本体にメダル投入口がない場合は、本体メダルゲーム機の要件を満たさないことから、その場合は本体の届出の必要はない。
サテライトに貼付する表示マークの単価
表示マークの単価は現行基準に従い、メダル投入口数に「100円」を乗じた金額とする
サテライトへの表示マークの貼付方法
側面への貼付では表示マークを確認できなくなるおそれがあるため、メダル投入口がある前面への貼付を義務づける。
 

第8回「ゲームの日」実施報告

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 JAMMA、(社)全日本アミューズメント施設営業者協会連合会(AOU)、日本SC遊園協会(NSA)の3団体共同事業として実施している「ゲームの日」(11月23日(祝))は、今回で8回目を迎え、全国にある8,000のアミューズメント施設を中心に様ざまな記念イベントを開催。一般のゲームファンはもちろんのこと、直接ゲーム場に足を向けたことのない人たちに対しても業務用ゲームマシンの楽しさをアピールし、ゲーム場のイメージアップとマーケットの拡大に取り組みました。

 前回、池袋サンシャインシティ・噴水広場で行なったコアイベントは、東京駅・八重洲中央口コンコースに会場を移し、午前11時から午後7時まで実施。東京駅利用者(1日約100万人)に無料でゲームを楽しんでいただいたほか、アンケートも配布し、その場で回答いただいたお客様には「ゲームの日」のオリジナル卓上カレンダーをプレゼントしました。入場者数は、時間帯約1,500名、7時間で約10,500名。会場担当のJR東海エージ ェンシーから「平均的イベントで時間帯1,000名。どんなイベントでも入場者には"波" があるが、今回のイベントはまったくそれがなかったので、稀有のイベントといって良い」とのコメントが出るほど、好評を博したイベントとなりました。次回以降も、東京駅での開催を検討したいと考えています。

 また、その他の地域でも、社会福祉施設や養護施設、老人福祉施設、知的障害者施設を対象に楽しいイベントを実施。ゲームマシンと遊びの出前"アミューズメント・ラブ・エイド"や、遊園地への無料招待、アンケート回答者を対象とした豪華商品のプレゼント、会員各社から提供された景品などの寄贈を行ない、ゲームの楽しさを広く皆さんに知ってもらうように努めました。

 3団体では今後も「ゲームの日」を通して、様ざまなアイデアを凝らし、業界の健全性と文化性、そして、ゲームの楽しさをPRしていく考えです。
 



 JAMMA、(社)全日本アミューズメント施設営業者協会連合会(AOU)、全日本遊園施設協会(JAPEA)の3団体共同主催による『2003年アミューズメント産業新春賀詞交歓会』が、1月10日(金)午後5時から、東京・赤坂プリンスホテル/五色「新緑の間」で開催されました。参加者は昨年を上回る259名。今回はAOUが幹事団体となり、盛大に 執り行われました。

 司会者の開会宣言後、登壇した入江昭造AOU会長は新年の挨拶を行なった後、各社のゲーム機開発にもふれ、「各社さんによって優良な機械が開発され、業界全体に元気を与えてくれた」とAOU会長として感謝の言葉を贈り、「今年度もより以上のヒット商品を出していただきたい」と熱望し、挨拶を締めくくりました。

 続いて、挨拶に立った柿原彬人JAMMA会長は、「今年は入江会長が話されたように豊作の年ということで、豊かな発展が望めればと思っているが、ただ一つだけ懸念することがある。昨日、CESAの賀詞交歓会に出かけたが、きわめて若い人が多い。しかし、わが3団体の方は私を含めて皆さんメンバーが変わらないのはいいのだが、少しずつ年をとってきている」と苦笑し、「2代目の経営者、あるいは3代目の経営者など、若い方がこういう集まりに参加されるよう、もう少し若さを取り戻した業界にしていきたい」との考えを披露しました。

 さらに、JAMMAの活動についてふれ、「JAMMAでは副会長の永井さん以下、ポイントマイレージシステムというものを考えており、これが実現すれば機械のつくり方が変わって業界が一段と華やかになるのではないかと期待している」とし、「このシステムをJAMMA自体が率先して今年は発展させていきたい、成功させていきたいと考えている」と力強く抱負を語りました。

 次に、昨年10月、財務省副大臣に就任したばかりの小林興紀衆議院議員が登壇し、挨拶。力強い声で小林副大臣は「3団体がさらに発展し、日本の研究・技術開発の大輪の花が咲く中で、日本経済の産業の再生、日本経済の再生がなることを大きく期待したい」と激励しました。

 小林副大臣に対して大きな拍手が送られた後、柿原JAMMA会長、入江AOU会長、山田三郎JAPEA会長が登壇。そろいのハッピを着た3会長は、司会者の「1・2・3ヨイショ!」のかけ声のもと木槌を振り下ろし鏡開きを行ないました。

 乾杯の音頭は山田JAPEA会長が取り、3団体の繁栄、各社業界と本会に参集された方たちの健康と活躍を祈念し、「皆さん元気で、おめでとうございます」のかけ声で参加者全員とともに杯を掲げました。その後、会場は懇親の場となり、あちらこちらで談笑に花が咲きました。

 最後に、平本将人AOU副会長が中締めを行ない、午後7時ごろ、3団体共同主催による『2003年アミューズメント産業新春賀詞交歓会』は盛会のうちに散会となりました。



「遊び」はネットワーク社会の最高のナビゲーター

 新年あけましておめでとうございます。昨年は当協会並びに当協会会員各位の皆様の格別のご支援、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

 昨年の我が国経済は、小泉改造内閣の発足後、不良債権処理加速策等の影響によりバブル崩壊後の株最安値を更新するなど、資産デフレは克服されるどころか、ますます進行しております。我が国経済が取り組むべき最大の課題は、消費財は別として株と土地の価格を上昇させ、「資産デフレ」を止めることにあります。

 次に重要なことは、産業界を取巻くいわゆる「業法」を見直し、徹底的な規制緩和を行い、意欲や創意のある企業の新規参入を促し、更に新しい産業、業態を創出する以外に方法がないことは言を待ちません。

 問題はそれをどう「実行」するかであります。

 それには、明治維新や明治新政府が行ったような、数々の施策の根本となる国民の「意識の維新」が必要なのではないかと思います。

 昨年はアミューズメントマシンショーが40回目を迎えました。ジュークボックス、木馬、ボウリングゲーム、メダルゲームの登場、テレビゲームの出現、更には、シール機、音楽ゲーム、カードゲーム等を経て、アミューズメントビジネスは我が国の産業技術の発展に多大な貢献をしてまいりました。

 中でも「インベーダーゲーム」の登場は、業界が輸入国から輸出国へ転換する契機を作り、その後続々とテレビゲームが発売され会員各社の努力と創意工夫により、ソフトの名作と言われる数々の大型ヒット商品を産み出しました。そして、半導体を多用する民生品の先駆けとして、コンピューター業界に大いに貢献してまいりました。

 その間、我々業界はテレビゲームの著作権を確立し、現在産業界で論じられている「知的財産権」という概念の先導的役割を果たしました。また、風営法施行や大店法緩和による大型SCの出現等により、明るい、楽しいアミューズメント施設を創出し、健全なエンターテインメントとして社会的な認知も得ることが出来ました。

 さて、業界が変革期にあると言われ始めてかなりの年数が経過しております。家庭用ゲームの普及と高度化、携帯電話の普及、携帯用通信ゲームの台頭、これらのベースにある時間消費の多様化等、様々な理由があげられております。 

 しかしながら、我々業界は各社の試行錯誤や、成功と失敗の体験の積み重ねとして、業界内に保有する「知的資産」とオンラインゲーム等に代表される「最先端の技術」を融合した新しい創造性を創出しなければなりません。
 昨年もそのような「兆し」を示すアーケード版のオンラインゲームマシンが登場し、大いに人気を博しました。これは当業界の将来性を示唆する明るい材料であります。

 そして、業界が一丸となって更に「面白い」「楽しい」「ワクワクする」新しい領域の「ゲーム」を創造し、人々が生活するための「インターフェイス」の役割を果たさなければなりません。

 忘れてはならないゲームの基本は「シンプル」「リズミカル」「スピーディー」の3原則であると、私は信じております。

 その原則を極限まで追求したゲームは、人々をエンジョイさせ生活に潤いをもたらしてくれるものと考えます。そして、「面白い」「楽しい」「ワクワクする」ようなノーベル賞級の新しいゲームを創造する、ゲーム業界における「ルネッサンス」を目指すべきと確信しております。

 今こそ、次代の業界を担う、若い世代の奮起を促したいと思います。そして、業界が末永く更に発展、繁栄し、我が国経済の次の発展に寄与すると共に、その結果として、創造性溢れる国家として世界から尊敬を集める一助となれば、願うものであります。

 最後になりましたが、関係各位のご指導、ご支援をお願い申し上げますと共に、皆様方にとりまして、新年が更さる飛躍の年となりますことを祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

 平成15年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 昨年を振り返ってみますと、日韓共催W杯における代表チームの健闘や製造業の現場からノーベル賞の受賞者が輩出されるなど明るく勇気づけられるニュースもありましたが、日本経済は長い景気低迷を続けいまだ暗雲の中から抜けきれていないというのが多くの人たちの実感しているところであります。

 こうした中、政府を挙げて、一連の経済構造改革に取り組んでいるところでありますが、製造業という観点から見た場合、我が国製造業の生産拠点の海外への急激な移転が進み、とりわけ近年低廉な事業コストと急成長する市場という強大な吸引力を有する中国を始めとするアジア諸国に相次いで生産拠点を移しつつあります。

 製造業はGDPの4分の1を占め、その輸出による外貨獲得は資源の乏しい我が国にとって加工貿易立国の中軸を成しております。また、民間のR&Dリソースの9割以上は製造業によるものであり、ものづくりの現場から遊離しては産業技術の発達は期し得ないことから、まさしく製造業は科学技術創造立国の基盤を成すものであります。

 こうした我が国経済における製造業の重要性に鑑み、産業空洞化問題に如何に対処するかということを中心に今一度我が国産業の競争力強化の総合戦略を練り直すべく、経済産業省は昨年5月平沼大臣主催の産業競争力戦略会議において「産業競争力強化のための6つの戦略」をとりまとめました。この提言の大半は「経済活性化戦略」として政府全体の取り組みとなり、現在着実に実施しているところです。具体的には、実用化・市場化に直結する戦略技術の研究開発への予算の重点投入、研究開発税制の抜本強化やIT投資促進税制の創設、産業再生税制の拡充、「改革加速のための総合対応策」に基づく産業再生機構の創設等、我が国産業の再生及び競争力強化のための施策を講じております。

 こうした政府全体の経済構造改革への取り組みの中で、製造産業局といたしましては、直接産業界の生の声に接することができる原局の立場から、皆様方の忌憚のないご意見を伺いながら製造業発展のための取り組みを積極的に講じていく所存であります。そうした立場から、次の2点を強調させていただきたいと存じます。

 第一は、新分野・新規産業創出のために官民一体となって取り組むという点であります。我が国が瀕している長期的な経済低迷の根底には約20兆ともいわれる構造的な需給ギャップの存在があります。この需給ギャップを解消し、日本経済を深刻なデフレ状態から健全な成長軌道にのせ、また中国等への生産拠点移転の加速化など産業空洞化問題に対処するためには、技術革新(イノベーション)を生み出し、新たな成長市場の創出および潜在需要の開拓につなげることが不可欠です。このため産業界においては、積極的な研究開発投資や産学連携を通じて多くの「挑戦者」が生まれることを期待すると共に、実用化・市場化に直結する戦略技術の研究開発に政策資源を重点的に配分するなど、官民一体となって新たな戦略技術の発掘に引き続き取り組んでいく所存です。

 もう一つは、経営資源の「選択と集中」の取り組みを個別企業内はもとより業界再編をも視野に入れた業界全体の活性化に向けて最大限努力してまいりたいと考えております。もとより事業の統合や合併は当事企業の経営判断に委ねられるべきであることは申し上げるまでもありませんが、再編を通じてより大きな懐を作り出し、その中でコスト削減を図り、そこから生み出した経営資源をR&Dを含む戦略事業分野に投入することが不可欠になっていると考えます。産業再生法の抜本改正や研究開発投資減税などの税制改正を通じて、新たに関係企業が事業再構築を進めやすい環境を整えると同時に、加速化が予想される不良債権処理によっていたずらに貴重な経営資源が失われることのないよう「企業再生」を支援してまいりたいと存じます。

 最後になりましたが、平成15年の皆様方の一層のご活躍とご多幸を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。