――今回、景品委員会からAMプライズ部会へと独立した組織に変更となりましたが、その経緯についてお聞かせください。
佐藤 倫理部会の中で、適切でない景品や景品の知的所有権等について盛込んだガイドライン策定について話し合ってきましたが、現在、景品提供営業が全体の中での40%の売上構成比を占めてきた中で、景品提供営業の問題をより明確化していくことが、役割として要請されています。

――以前の委員会からの経過も含め、これまでの活動状況についてお聞かせください。
佐藤 AOUエキスポやAMショーなどの出展品検査を担当し、さらに、その機会を使って、景品及び景品営業の適正化に関する啓蒙活動を行なってきました。例えば、プライズ機で取ることができないもの、ディスプレイ用の展示品と実際に販売する商品を明確に表示することや、著作権の許諾のないものについては出展しないということなどでのさまざまなご協力をいただいてきました。適正化については、あくまで私たちは取締まるという立場ではないということを前提に、同じルールの中で秩序あるビジネスを行なっていこうということです。部会になってからは、会合を1度開きまして、副部会長2名を含めて12名の構成が決定しました。
――景品のガイドラインの策定についてお聞かせください。
佐藤 現在の景品のガイドラインとしては、平成9年にAOUが景品取扱い要領というものを策定しています。これをベースにして、より時代に合わせたものに変えていくことを、メーカーからもお手伝いしていくということです。例えば、青少年の健全な育成や公序良俗を害する写真・印刷物や、タバコ・喫煙具・酒・薬品というものなど、当然そんなものは扱っていないわけですが、言い回しも含めて内容を見直したいと思います。また、新規の課題として偽ブランドや偽造キャラクターなど、他社の知的所有権を侵害する物品類にも取り組んでいきます。プライズ市場は、今やAM業界の中からキャラクターの大きなヒットが出てくるようになってきています。そういう市場を我々が守っていくためにも、こうした点はきっちりやっていかねばならないと考えています。
――景品の上限価格の800円という枠についてのお考えはどうですか。
佐藤 デフレの時代でもあり、価値も変わってきていますが、ガイドラインとしては妥当な線だと思います。もちろん、これまで業界と当局の折衝によって段階的に上限が上がってきて、平成9年に800円となってきた経過の中で、AM業界におけるプライズ市場は拡大してきました。業界が健全に発展していくなら上限を上げてもらうよう努力していくのもいいですし、エスカレートして業界が萎むなら現在のままでいい。それは皆様と一緒に考えていくことだと思います。むしろアウトサイダーで一部の心ない業者の高額景品の違法営業問題も指摘されていますが、それは業界全体がきちんとさせることが第一です。
800円という枠が厳しくても、メーカー側としては、その中で企業努力し、切磋琢磨しながらよい商品を作っていくことが、業界の活性化につながってきたわけです。その一つの結果として、ゲームセンター発のキャラクターがたくさん生まれました。他の業界からも注目されるメディアとしての役割を、ゲームセンターが担い始めているのです。ファッション感覚に優れた人が集るコミュニティの中で新しいキャラクターが評価される、そういう市場ですからもっと大切にしていきたいのです。
――景品の材料・材質問題についてお聞かせください。
佐藤 ポリ塩化ビニルについては啓蒙文書を出すなど活動を始めましたが、食品衛生法などの問題について、日本はこれまで後進国だったと言えます。その中で、いろいろな環境保護団体の提起する問題について、玩具業界などは我々の団体より1年も早く取組みを開始していました。我々の業界では、これまでそうした方面にアンテナを張っていなかったのです。それもやはり研究・調査する機関がなかったということです。最近は、食品衛生法の問題でもいろいろ事例が出てきており、それがどれほど怖いかについては、メーカー団体としても意識しています。材料については、景品提供の中で、絶対に使ってはならないものと、年齢表記すれば使ってもいいものといろいろなケースがあります。使う種類によって細分化されているので、非常に難しいのです。表示をはじめとするガイドラインについては、あくまで自由競争の中でメーカーが考えねばならないのですが、AM業界には小さいメーカーもありますので、業界全体としてできることはやっていかねばなりません。
――それも含め、景品提供の適正化ということで、他団体との連携を含めた方向性についてはいかがですか。
佐藤 AM業界では、それぞれの立場の団体がありますが、このプライズの問題は、業界全体の共通した問題だと認識しています。過去、業界の諸先輩方が努力し、今のプライズ市場を確立したものを、今後、発展させ、守らなければならないという認識です。そのため、現在、受け皿になる研究や勉強する機関がありません。ですから、我々が他団体の皆様に対して、サポートできる機関にする事が重要だと考えております。もっともっとこの部会に対して、宿題や問題を提起していただき、利用してもらいたいという立場です。
――景品市場の動向と問題点についてお聞かせください。
佐藤 現在のプライズ市場は3団体実態調査をみますとAM販売高の中で40%とたいへん大きいシェアを占めていますが、全体のマーケットの中で、プライズ市場が100%になることはありえないわけです。遊びにはいろんなバランスがあって、面白いビデオゲームがあり、メダルやプライズもありという、そういう構成で広がるわけです。問題点としては、やはり運営者の営業方法ですよね。他業界の人がどんどん入ってきて、この業界は自主規制というルールの中で運営されている事すら知らない方が、高額景品とかの違法営業をやっていることが非常に多い。そういった問題に対処しつつ、我々の業界に入っていることによるメリットを出していくことを考えなければならないと思っています。
――部会の今後の方向性と課題についてはいかがですか。
佐藤 事業計画として、景品提供営業の比重が大きくなっている現状に対応すべく、適正な景品営業を推進するための方策を調査研究すること。会員、非会員を問わず景品提供営業に携わる企業及びエンドユーザーに対する啓蒙活動を推進すること。景品及び景品提供営業の適正化を推進するとともに、景品提供事業者のニーズを把握するため、活動することを掲げ、これまでにお話した内容を含む具体的な活動を予定しています。
――ありがとうございました。ご活躍を期待しております。




