橘 まず、このたび東北・関東大震災で被災された方々に対しお見舞いを申し上げます。今回の大震災や原発の事故は大変ネガティブなインパクトを日本国民にもたらしています。そういった未曽有の大災害の年にアミューズメントマシンショー(以下AMショー)の運営委員長に就任したということについては、「大変な時期に大役を努めることになった」というのが正直な気持ちです。
Q.AMショーは変化が求められる環境に置かれていますが。
橘 個人的にはAM業界自体は大きな曲がり角にきていると思っています。その閉塞感を打ち破る願いを込め、今回からAMショーの在り方を変えていきます。こういった環境の中では非常に不謹慎な誤解を招くかもしれませんが、「AMショーがどうなってしまうのか」という不安感がある一方で、期待感も持っています。またAMショーは来年に50回の節目の年を迎えます。今回のショーは、50回以降を占う試金石の役割を持ったショーになるのでは、と思っています。そこで、翌年以降に向けて「変わった」という結果を残すこと、あるいは「有益な何か」を残したいと思っています。
Q.今回はショーの日程、会場等に大きな変更があります。
橘 前回との大きな違いは、東京ゲームショウ(以下TGS)との同時期開催である、さらに会場が同じ幕張メッセということがポイントになっています。今回の日程や会場の決定については、昨年1年間、AMショー部会(林 隆部会長=当時)で話し合われた「今後のAMショーの在り方について」の答申に基づいています。これは、JAMMA会員だけでなく、オペレーターの立場からAOUにも意見をもらっています。
その中で「TGSと同時期の開催を」という意見が多くありましたので、AMショーがTGSと同時期に開催できるよう調整をしました。その結果、会場は9・10ホールとなりましたが、運営面で工夫をすれば問題はないと思っています。会場計画については現在、案はできあがっていて、安全面や来場者の動線の問題など細かな部分を詰めている段階です。
橘 出展社はもちろんのこと、来場されるオペレーターの皆様、エンドユーザーとなるプレイヤーの方々についてもTGSと重なる部分がある人達が多いと思います。この利便性を考えると、同時期・同会場開催にするメリットは大きいと思います。
AMショー自体はこれまで、業界内でのビジネスショーとしての位置づけが強い部分がありました。今回のショーでは一般ユーザー、ひいては世の中に向けてAM業界をアピールする場として変化が期待できます。そもそもTGSは外向きの色彩が強い展示会です。そのショウと同時期開催することが、変化をするAMショーとしてもベストであると判断しました。
言うなれば今回のAMショーは、ビジネスショーとしての役割は失うことなく、一般向けのアピールをさらに強めていこう、という考えをベースに運営していきます。
Q.ショー運営に関し、今回は外部の広告代理店と連携して行うということですが、その狙い等についてお聞かせ下さい。
橘 これまでのAMショーは、主催団体の会員企業から選ばれた運営委員会による言わば手作りの運営をしてきました。この形式ですと、業界の実情にマッチした運営であったものの、ややもすれば前年のまま、大きな問題があればそこを見直す、といった形になりがちでした。AMショー自体がマンネリ化から脱却しなければ、という問題意識がありましたので、それを実現するために外部の力を借りた方がよいという判断をしました。
外部の力を借りて何をするのかということについては、基本的に全体の運営については外部の広告代理店に任せていこうと考えています。
ただし、全体のフレームワークは代理店に任せますが、これまでのショーの流れをうけた運営や過去に生じた問題などの対応については、主催団体の運営委員会で補強するという形になります。代理店は数社からのコンペで株式会社 アサツー ディ・ケイに決定しました。
この件と関連して今回は主催者ブースを正式に設けます。主催団体として対外的なアピールをきちんとしていかないと、という思いもあり、その内容等を今後詰めていきます。
Q.ショー関連イベントについてはいかがですか。
橘 セミナーは実行する予定で検討を進めています。前回初めて開催したコスプレイベントについては、1回だけで終わらせるのではなく、内容をブラッシュアップして実施しようという方向になっています。また、チャリティイベントについては、現在検討中になっています。
Q.懇親パーティーについては。
橘 今回もショー会場に隣接するホテルで開催します。ただ出席していただける方々がTGSのパーティーとの選択に悩むということになるのは申し訳ないので、時間をずらすなど、両方出席できるような配慮はしようと思っています。
Q.ショーの広報宣伝活動については。
橘 今回は前回よりも予算を割いて、戦略的な広報宣伝を行っていく予定にしています。ショーの問題だけでなく、AM業界全体で市場拡大していくためにも、対外的にアピールを行っていくことは重要な課題です。そこでAMショーを通じて、世の中に広く業界を訴求し、今後の発展につながれば、ひいては出展社に還元される形になると思います。
Q.AMショーの海外展開について は 。
橘 もちろん海外を見据えた活動は行っていきますが、早急に海外からの来場者、さらには出展社を誘致するのは非常に難しい問題だと思っています。近年のAMショーでは欧米からの来場者は非常に少なくなっています。
現在の環境を見ると、私としては海外、特に欧米の市場は日本国内同様シュリンクしていると思っています。国内市場同様に市場の掘り起こしが必要で、そこから始めないと来場者はもとより出展社も増えていかないと思います。もう一つは、現在国内メーカーが展開する製品がどれだけ海外に受け入れられるかという問題もあります。
その中で、日本国内のメーカーが海外市場の掘り起こしをするには時間がかかります。AM業界が厳しい環境にある中では、足下の国内市場の掘り起こしが先決だと思います。
これには異論もあるかと思いますが、私としては国内市場の掘り起こしに成功すれば、それを参考にするため、海外からの来場者や出展社が増えると思っています。
ただし、今回は欧米からの来場者も多いTGSとの同時期開催になり、そういった来場者を上手に誘引できれば、それをきっかけに今後につながる新たな可能性はあると思います。彼らはAMショーの存在を知らなかったかもしれませんし、今回AMショーを見ることで、これまでのAM業界にはなかった新たな遊びの提案が出てくるかもしれません。そこにも期待をしています。
Q.最後に今回のショーに期待すること、出展社へのメッセージをお願いいたします。
橘 AMショーが変化をしていく中で、今回はTGSとの同時期・同会場開催という初の試みとなります。来場者の方々には業務用ゲームから、家庭用ゲーム、携帯ゲーム、ソーシャルゲームまで一堂に会しているので、様々な遊びを感じることができるという魅力があると思います。
また出展社に対しては、AMショーをはじめ幕張メッセがこの期間中、様々なジャンルの遊びを提供するまたとない機会だと認識をしていただき、是非画期的な製品の出展をお願いできればと思います。
AMショーは来年、節目の50回を迎えます。今後AMショーが未来永劫に向けて発展していくためにも、今回はそのきっかけとなるチャンスのショーであると思います。この短い期間では難しいお願いかもしれませんが、AMショーで自社のアピールを含めて、これまでできなかった、近未来の3年後・5年後を見据えた新しい遊びの提案などをしていただければ、来場者の注目も集まりますし、AM業界に対する世の中の認識も変わってきます。さらに今後、少しでもそれが形になれば、皆様方にも成果があるショーになると思います。
是非、皆様方にはそういったチャンスを最大限に活かしてほしいと願っています。



